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アクアリウムス

【第五回ウディコン】エントリー作品 No.44

■タイトル
アクアリウムス

■作者
「クリロウ」さん
http://ichimen.blog103.fc2.com/

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■プレイ時間
120分

■ジャンル
RPG

■プレイ感想
これは良い。

戦闘は対面式のコマンド選択タイプ。成長は経験値によるレベルアップ方式。ストーリーに沿って行き先を選択し、メインのイベントを進めていくという非常にベーシックなRPGです。

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そう書くとありきたりな内容に見えますが、作り込みの深さと丁寧さはすばらしいの一言。
序盤の導入もスムーズで、自然と引き込まれてプレイしてしまう魅力があります。
それは例えばイベントシーンの長さであったり、ダンジョンマップの広さであったり、戦闘の回数や長さであったり。
フリーゲームではとかくおざなりにされがちな点ですが、この作品ではそのあたりがしっかりと調整されていて飽きやストレスを感じさせません。

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えぇぇぇぇ、おっさん……。
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システムがベーシックとは言ってもそれは幹の部分だけの話で、実際には独自のシステムが多く盛り込まれています。
戦闘ひとつにしても、フィールドの属性、攻撃のチェイン、SPとTPの使い分けによるスキルの棲み分け、敵の隊列(前後列)など……。
ですが、それらも最初からまるまるプレイヤーへ押しつけられるのではなく、きちんとシナリオの進行に従って小出しに解放されていきます。
そのためいきなりたくさんの要素でお腹いっぱいということもなく、ストーリーを楽しみながら徐々に作品の中にのめり込んでいけるのです。

これは独自システムを組み込む時に最も注意が必要で、しかし実際には多くのフリーゲームで軽視されている点ではないでしょうか。

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基本的にはメインストーリーに沿ってダンジョンなどを攻略、敵のボスを倒していく流れになりますが、一度クリアした場所には自由に移動が可能ですので、がんじがらめの一本道というわけではありません。
また、メインストーリーとは関係のないミニクエストも用意されているので、息抜きやパーティ強化のためにこれらのクエストをこなしていくのも良いと思います。

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味方だけではなく敵ボスも戦闘中のカットインが用意されていたり、パーティキャラが戦闘中に話すセリフを自分で編集できたり、コスチュームを装備することでステータス画面で表示されるキャラの立ち絵が変わったり、「そんなところまで……芸が細かいなあ」と思わせるほどしっかりと作り込まれています。

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カウンター内のNPCがブルブル震えてるのが…なんか良い。
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ゲームとしての全体的なテンポやバランス、操作性も不満を感じるところはほとんどありません。
遊び要素もいっぱいですし、様々な点で高いレベルを感じさせる作品です。
大きく目を引くような斬新さはないかもしれませんが、完成度という面では今回のウディコンでもトップクラスではないかと思います。
エントリー作品のうち、まだ半分しかプレイしていませんのであまり断言はしたくないのですが……、おそらくこの作品が上位に食い込んでくるのは間違いないでしょう。