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投票に行かないのはむしろ政治家を利する行為じゃないの?

また近々国政選挙が行われますね。
選挙の話になると「よくわからない」「興味がない」という人は若年層を中心にかなりの数いると思います。
私の周りにも「どうせ誰に投票しても何も変わらない」「政治家全員信用できない」といった理由で投票に行かない人がいます。

でもね、「政治不信だから投票に行かない」っていうのは違うと思うんですよ。
投票に行かないというのはつまり単に投票率を低くするだけの話です。

政治家は投票率が低くなったからといって何も困りません。むしろ喜びます。

若年層が政治に無関心になればなるほど、投票全体におけるお年寄りの割合が高くなります。
お年寄りというのは基本的に保守的です。若い頃は現状への不満をあらわにして変革を求めやすいものですが、歳を取るにつれて変化を嫌い、現状を維持しようとするのが人間というもの。
保守層というのは現状を維持したい層なので当然今の政治家をそのまま選びます。

この年配保守層というのは少々のことでは考えを変えません。
下手をすると汚職に手を染めた政治家や不正行為を行った政治家であっても「あの先生なら地元のために頑張ってくれる」と不祥事などお構いなしに当選させてしまうほどです。

若年層が投票に行かないままだと、年配保守層の投票が全体の投票の大部分を占める形になってしまいます。

例えば投票率100%=これが100万票だとしましょう。

有権者全員が投票に行った時に年配保守層がその中の30%(30万票)しかいなかったとしましょう。
現実には国政選挙ですら投票率は50%(50万票)程度、70%(70万票)を超えると有権者の関心が高いと言われるほどです。

全体の投票率にかかわらず、年配保守層は常に投票へ行きます。
そうすると投票率50%(50万票)の選挙において、年配保守層は50%(50万票)の内の5分の3、つまり有効投票中の60%(30万票)を占める結果になります。
当然過半数を超えた年配保守層の意見が国政に反映されてしまうわけです。
日本全体から見れば30%(30万票)しかいないはずの人間が投票の6割を占めるのは、結局投票に行かない人が多いからです。

政治家にしてみれば投票の中で最多数が取れれば良いのであって、そのためには投票率はむしろ低ければ低いほど都合が良いのです。なんせ自分たちを支持してくれる年配保守層は必ず投票してくれるのですから。

下手に投票率が上がってしまえばそれだけ自分を支持してくれるかどうかわからない人(いわゆる浮動票)が増えてしまいます。
それよりも確実に得票できる年配保守層が多数を占める現状の方が良いのです。

「政治家が信用できないから投票に行かない」というのは政治家にとってむしろ嬉しい、ありがたい行為だということに気付いて欲しい。
「投票に行かない」のは政治にNOを突きつけるのではなく、今の政治家へ白紙の委任状を差し出す行為です。

政治にNOを突きつけたいなら【投票に行かない】ではなく投票へ行って【無効票を投じる】方がまだ多少は建設的でしょう。

投票率50%(50万票)でそのうち半分以上(30万票)の支持を受ければ政治家はなんの危機感も抱きません。
ですが投票率90%(90万票)でその中で一番票を集めた人間が30万票しか得られなかったらどう見えるでしょうか?
無効票が同じく30万票あったらマスコミはどう報じるでしょうか?

無投票は政治家への白紙委任ですが、無効票は政治への反対とも受け取れます。

そこまでいってようやく政治家は危機感を覚えるのではないでしょうか。
まあ、そう都合良く事態が推移するとは思えませんが、少なくとも投票に行かないのは政治家を喜ばせるだけだということを知って欲しいです。

って、結局「政治不信」というのはただの建前で、「投票のために勉強したり調べたりするのが面倒くさい」「そんな時間があったら遊んでいたい」というのが大多数の本音なんでしょうけどね。

ただ理由がどうであれ、投票に行かない人間には今の政治や政治家を非難する資格は無いんじゃないかなあ。と私は思います。