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悠遠物語~空の大陸とアイテム屋さん~

【第四回ウディコン】エントリー作品 No.43

■タイトル
悠遠物語~空の大陸とアイテム屋さん~

■作者
「らむらむ」さん
http://fafa.iinaa.net/index2.htm

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■プレイ時間
300分

■ジャンル
アクションRPG

■プレイ感想
これはすごい。

素材を収集して合成することで新しいアイテムを生み出し、作ったアイテムをお店で販売することでお金を得るというタイプのゲームです。
「アトリエ」シリーズと言えば話が早いでしょう。

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このゲームでは素材の収集と戦闘がアクションRPGの体で進められます。
個人的にはこの方が『素材を自分で集めてる』という実感があるので好きですね。
(中盤以降になるとめんどくささが際立ってくるかもしれませんけど)

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物語は「第○話」といった感じで区切られており、基本的にはシナリオに沿ってクリアしていくことになります。自由度という意味では、多少一本道に近いかもしれません。
シナリオの要所要所で挿絵が挿入されるなど、演出面でも力が入っています。
さすが300MBに迫るほどの容量をほこるだけはあります。

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プレイヤーへの配慮もしっかりされていて好感が持てます。
プレイ開始時に操作方法に合わせてボタンの調整メニューが用意されていたり、序盤にはひとつひとつ説明が差し込まれます。
readmeに目を通さなくても、操作方法やゲームのルールなどをすんなり理解できるようにプレイヤーをガイドしてくれます。

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また、細かいところにも作り込みが見られます。
メニューのレイアウトひとつとっても使いやすく配置されていますし、文字を含めた配色も適切で読みやすいです。
データをロードする際に状況説明のメッセージが表示されるのには驚きました。市販のゲームではおなじみの手法ですが、フリーゲームではなかなかここまで手が回っている作品は珍しいでしょう。

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セーブデータが一杯になると(正確には最後尾にセーブすると)データ枠が増えるというのも「かゆいところに手が届く」すばらしい配慮だと思います。

アクションRPGというだけあって、アイテム合成&販売以外の部分もしっかりと骨太な作りです。
アクション部分も操作性が良く、敵を倒していく爽快感も十分に感じることができます。
武器による攻撃だけではなく魔法を習得することで戦闘の幅が広がり、見た目にもどんどん派手になっていくのが良いです。
魔法の習得も単にレベルアップで習得というのではなく、自分で習得する順番を選択していくタイプなので人それぞれの育て方ができます。

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戦闘の舞台となるダンジョンやフィールドは驚いたことに毎回自動生成らしいのですが、できあがったマップは自動生成とは思えないほどスマートな出来映えです。
この自動生成だけとっても、制作者さんのスキルの高さがうかがえます。
ダンジョンの自動生成は他の作品でも多く見られますが、一見して自動生成とプレイヤーに気付かせないほど生成されたダンジョンの完成度が高いです。

戦闘システム・自動生成ダンジョン・魔法の習得システム、この3点だけでも十分ひとつの作品が成り立つほどのレベルなので、お店の部分を完全に取り除いて戦闘に特化したアクションRPGとしても十分プレイする価値がある出来映えです。

システム的にもしっかりと作り込まれていて、ボリュームもたっぷり、演出、チュートリアル、操作性と全てにおいて高いレベルを誇るおすすめの良作です。

まぁ、コンテストで発表するからにはバージョン表記は1.00にして欲しかったですけどね。