home 第3回ウディコン 第三回WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)の作品を一通りプレイしてみたダメ人間

第三回WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)の作品を一通りプレイしてみたダメ人間

年々エントリー数が増えているウディコンですが、今回も前回に比べてエントリー数が増え、最終的に68作品となっています。
全部プレイして評価しなければならない審査員の方は本当に大変です。

ただ気になったのは68作品中7作品と、全体の1割が体験版などの未完成品だということです。
絵画のコンテストにしても料理のコンテストにしても小説のコンテストにしても、未完成品のエントリーを許しているコンテストというのは聞いたことがありません。

人目にさらすからにはそれなりの品質(最低限完成していること)を満たすのが礼儀だと思うのですが、このままだとウディコンはただの宣伝の場になってしまいそうです。
作品というのは完成して初めて価値があると私は思っているので(隙の無い完璧な体験版より、バグだらけでも完成版の方がこういうコンテストにおいてはエントリーする資格があると私は思います)ウディコンに体験版をエントリーするのは反対ですが、現時点のコンテスト規約では体験版は禁止されていませんので規約上問題はありません。

それにしても…今回体験版としてエントリーした作品が来年のウディコンで完成版としてエントリーされた場合、ペナルティとかは全くなしで評価されるんでしょうか?
1年ごとに「体験版」→「完成版」→「バージョンアップ版」でエントリーする作品がそのうち出てきそうな気がします。

8月7日からエントリー順にプレイしたので、現時点では既に私がプレイしたバージョンからかなり修正や改善が加えられている作品もあります。
本来であれば審査開始の8月15日からプレイするべきですが、作品数がふくれあがることは予想されていたのでフライングでプレイしてしまいました。

プレイ感想で「○○があったら良いのに」という機能が追加されていたり、「○○が問題」という点が改善されていたりということがあるので、再プレイすれば感想も変わるかもしれません。
ですがそこまでの時間はとてもとれそうに無いのであきらめておきます。

作品によってはクリアまで何時間もかかるものがあるため、(特にRPGで)序盤のみプレイしてあれこれ書くのはどうなの?という考え方もあると思います。

しかし序盤でプレイヤーに見限られてしまうというのは、プレイヤーをゲームに引き込む魅力や演出が作り込めていない、あるいは伝え切れていないということでしょう。

それが証拠に今回は1作品15分をメドにプレイしましたが、中にはグイグイとゲームの中に引き込まれて気がつけば1時間以上プレイしてしまった作品もあります。
お金を払って購入する商業ゲームなら「せっかく買ったんだから」と多少我慢してプレイすることもありますが、タダでプレイできるフリーゲームではプレイヤーに「おもしろくない」と感じさせたらすぐにサジを投げられます。

特にコンテストのように作品数が多い場合、プレイヤーにとっては選択肢が多いとも言えるためその傾向が顕著です。
「そんな短いプレイ時間ではこの作品の魅力を十分堪能できない」と言う前に、もっとプレイヤーに時間を忘れさせるようなゲームを作るのが先だと思います。

以下、どこまでも私見ですが今回のウディコンでおすすめしたい作品を列挙。

◆上位入賞大本命の作品

マッドプリンセス ~ディオデラの野望~
魔界王伝Ⅱ-異界の十二騎士-

この2作は他の作品と比べても頭一つ抜け出ている感じです。
過去2回のウディコンでそれぞれ一位二位を取った作者ということで、ある意味納得の出来です。

◆完成度の高い作品

白の奏 ~月巡り~
鍵の番人と次元の大迷宮
行商!
都市と力
武神の目覚め
Princess not known
ヤジルシージ
UCHU
マジカルファンタジア
ドラゴニア

ジャンルによって好き嫌いはあると思いますので万人向けとは言いませんが、ゲームとしての完成度が高く趣味が合うならおすすめできる作品たちです。
目立ったバグが少ないこと、ゲームとして一番大事な『楽しさ』を感じられること、作者の独りよがりではなくプレイヤーの存在をきちんと意識していること、という点をクリアできている良作です。

◆キラリと光る作品

Wolke-ヴォルク-
真夜中のレジスタンス
双六英雄記
トレジャーキッド
Genius
そこにいる

作品全体としては今一歩ながら、演出・システム・着眼点・発想力など、キラリと光る長所を持った作品です。

【番外編】完成品が楽しみな作品

Princess Saviour体験版
戦乱の大陸 体験版
アウレとノレの物語

基本的に体験版や未完成品はコンテストにエントリーするべきでは無いと思っているのですが…。
中には完成版が楽しみに思えるだけの魅力をそなえた作品もありました。