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第六回WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)の作品を一通りプレイしてみたダメ人間 - 感想ピックアップ

第6回WOLF RPGエディターコンテストのエントリー作品全部触ってみました。
今回はエントリー数79作品。思ったよりも少なかったです。
前回までの増え方を見ると、100作品くらいはエントリーされると思ったんですけどね。

今のところ「これ良いんじゃない?」と思ったのは

【エントリーNo.10】
■タイトル ロードライト・フェイス

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■作者 「ud」さん http://mhdc.digi2.jp/
■ジャンル RPG
■プレイ感想
さわりだけのつもりが3時間もプレイしてしまった。
見た目の派手さはないけれど、独特の世界観が表現されている味のある作品です。
「後戻り不可で前進するだけ」というマップを進み、使用回数制限のある武器を効率良く利用しながら5つあるエリアを攻略していくという内容。
ゲームシステムがよく錬られていて、調整具合もGOOD。
万人受けするとは言いがたいですが、私は見事にハマってしまいました。
後で個別の紹介記事を書くつもりです。

【エントリーNo.13】
■タイトル Dust Box!!

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■作者 「Tokugawa」さん http://nanos.jp/tokugawa/
■ジャンル アクション
■プレイ感想
ゴミ箱を操作して、制限時間内で画面上に散らばったゴミを拾い集めるというアクションゲーム。
全てのゴミを拾うというのではなく、指定された特定のゴミだけを選別して拾う必要があります。指定ゴミを全部集めるとステージクリアーという流れです。
若干ネタゲーっぽいですが、ちゃんとゲームとしても成立しています。
プレイ時間が短く難易度も低いので、気軽に手を出すことのできる作品です。
しかし逆に言えばボリューム不足は否めません。制作者さんもその辺は割り切ってるんだと思いますけどね。
依頼を受け、ゴミを集め終えると報酬としてアバター(メガネやつけ耳のようなちょっとした装身具)がもらえるんですが、単に見た目が変わるだけです。
せっかくですからアバターを装備することによって歩く速度が変わったり、ゴミを収集するときの射程範囲が長くなったりすると、もっと面白いと思います。
時間とともにゴミを排出するオブジェクトを配置するとか、プレイヤーを邪魔する敵キャラを追加するとか、アイデア次第でさらに面白くなりそうな可能性を感じさせてくれました。
一般的にはあまり評価されないのかもしれませんけど、個人的にこういうノリが好きなのでおすすめとして紹介しておきます。

【エントリーNo.20】
■タイトル 夢遊猫ケーリュケイオン

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■作者 「明野」さん http://tukiyobana.web.fc2.com/gamekeryu.html
■ジャンル RPG
■プレイ感想
一風変わったテイストのRPG。
倒したモンスターを仲間に入れて、パーティを入れ替えながら戦っていきます。
各モンスター達もそれぞれ技能を持っているので、収集の楽しみも味わえるんじゃないでしょうか。
イベントにしてもバトルにしても、それ以外の各種システムまわりにしても、しっかりと丁寧に作り込まれた印象を受けるので、じっくり腰を落ち着けてプレイする価値ありだと思います。
ただスクリーンショットをご覧の通り、登場人物は人間ではなくいわゆる獣人です(しかも胸や上半身をはだけさせた細マッチョ風)。かなり個性の濃い作風なので、人を選んでしまうかもしれません。
あと、ちょっと気になるのは、作品紹介の文面に『BL表現を含むので、苦手な方はご注意ください』とわざわざ注意書きしてあることです。序盤ではセリフの一部に思わせぶりな言葉が含まれる程度なのですが、ストーリーを進めていくとその辺り露骨な表現が出てくるのかも?
もしかしたら男性プレイヤーは最初からお呼びでないのかもしれませんね。
「だったら何でおすすめするんだよ!」と怒られてしまいそうですが……。
だってゲームとしての幹の部分はしっかりしてるんだもん。
ケモノ系、BL系が好きな方ならバッチリ楽しめそうです。

【エントリーNo.49】
■タイトル クロめで

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■作者 「セイ」さん
■ジャンル RPG
■プレイ感想
短編のRPGです。
システム自体はオーソドックスですが、作りはとても丁寧で安心してプレイできました。
戦闘シーンはフロントビューのコマンド方式。HPは戦闘ごとにフル回復し、技能を使うためのSPは「集中」コマンドを使うことで回復可能、という点以外はベーシックなシステムです。
主人公、クロ、そしてヴェルの愉快な会話はテンポも良く、短いながらもほのぼのとした世界観を感じさせてくれました。
選択肢の中へ常にボケを用意している点が個人的に大好きです。
後半になって急激に敵が強くなった印象がありますが、それ以外は特にストレスを感じることもありませんでした。
この作品を序章として、この後の物語を続編として綴っていくのもアリだと思います。

【エントリーNo.53】
■タイトル Wish Disproportionate

ScreenShot_2014_0801_20_08_09.png

■作者 「sunori」さん
■ジャンル RPG
■プレイ感想
短編RPGなんですけど……。
この制作者さん、第四回ウディコンの「ドラゴン=メモリアル world D」、第五回ウディコンの「病名・チュパカブラシンドロームサエジマ」の制作者さんなんですよね。
いや。もう「多分そうなんだろうなー」って思ってたらやっぱり期待を裏切らないその突き抜けっぷりは健在。
戦闘時のコマンド選択肢はランダムで3つ表示されるんですが、「攻撃手段がひとつも入ってねえ!」ってことがしばしばあります。
戦ってんだかコントやってんだかわかりません。
人によってはかなり好き嫌いが分かれるカラーですが、私は好きですよ。こういうの。
ストーリーにしても、笑い九割にちょっと胸の痛むエピソードが小さじ一杯、という加減が良いですね。
まあ、あれですよ。万人におすすめというものではありません。
これ読んでダウンロードしてみたは良いが、プレイした後に「なんじゃこりゃあ!」ってなっても責任は持ちませんので。

【エントリーNo.54】
■タイトル WILD ONE

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■作者 「Laineus」さん http://laineus.com/
■ジャンル シューティング
■プレイ感想
360度全方位のシューティングです。
同じ作者さんが作った、第五回ウディコンエントリー作品「FIRST ENGAGE」と非常によく似たタイプの内容でした。
続編あるいは焼き直しと言っても良いでしょう。(実際に設定上も「FIRST ENGAGE」と同じ世界ということらしいので)
「FIRST ENGAGE」が好きだった方ならきっと楽しめるに違いありません。
また、「FIRST ENGAGE」を未プレイの方なら新鮮な気持ちで望めると思うので、一度プレイしてみることをおすすめします。
逆に「FIRST ENGAGE」がそれほど好みではなかったという方は、本作をあまり楽しめないかもしれません。
お約束の百合展開は……、私がプレイした序盤では無かったです。
中盤以降はどうなるのか知りませんが。

【エントリーNo.61】
■タイトル アルセカ・ストーリー

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■作者 「coin」さん http://koyosai.blog.shinobi.jp/
■ジャンル RPG
■プレイ感想
パッと見はスタンダードなRPGなんですが、結構いろんなところにオリジナリティがあふれています。
例えばキャラクタの成長。
レベルアップによる成長に加えて、スキルの習得に使えるAP、ステータスアップに使えるBPといった存在のおかげで、キャラクタ育成に選択の幅があります。
育成大好きな人には楽しめるシステムです。
戦闘はフロントビューのコマンド方式。戦闘終了時にHP・SPが全回復する『全力戦闘』タイプです。
7人のパーティメンバーも本拠地に戻れば入れ替え可能ですし、スキルも多彩なため色々な戦い方を楽しむことができるのもこの作品の魅力。
じっくり時間をかけて楽しみたい作品です。

【エントリーNo.62】
■タイトル 終焉りと創始りのカタルシス

ScreenShot_2014_0804_00_11_02.png

■作者 「中谷キョウ」さん
■ジャンル ホラー
■プレイ感想
雰囲気や見せ方がとても上手いホラーゲーム。
記憶喪失の主人公が、過去の自分からの手紙に誘われて、怨霊うごめく屋敷内を探索し謎を解いていくという内容。
謎めいたストーリーをチラ見せしつつ、ときおりホラーシーンでアクセントをつけるという全体のバランスがとても良いです。
特別怖いグラフィックというわけでも無いのですが、効果音含めて「素材の使い方が巧みだなあ」と感じました。
個人的にホラーゲームは(単にびっくりさせるだけの「ゲーム未満」作品が多いため)本来はあまり好きじゃないんです。
でもこの作品はしっかりとゲームとして楽しめる部分を残しつつ、ホラーの要素がところどころ織り込まれています。
だからでしょうか、ドキドキしながらも「ストーリーを見てみたい」「この謎を解いてみたい」とプレイ意欲を沸き立てられました。
これと言って尖った特徴があるわけではないのですが、ホラー、謎解き、ストーリーの要素が過不足無く組み合わされ、作りが丁寧ということもあってとても好印象でした。
ただ、ホラーゲームというとゲーム実況プレイによく使われるのですが……、この作品は謎解きでときおり考え込んだりする時間があるのであまり実況プレイには向いていないかもしれません。

【エントリーNo.65】
■タイトル 召喚指揮候補生

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■作者 「早川 雪子」さん
■ジャンル SLG……?
■プレイ感想
第五回ウディコン総合1位「帝国魔導院決闘科」制作者さんの作品です。
4種類のうちひとつあるいは複数の属性を持った部隊員(手札)を使って戦うというSLGのようなカードバトルのようなゲーム。
攻撃の場合は「敵の属性と異なる属性(属性が重ならないように)」の部隊員で攻撃、防御の場合は「敵の属性と同じ属性(属性が重なるように)」の部隊員で防御するというシステム。攻撃の時は敵属性を避けて、防御の時は敵属性にかぶせるという感じです。
手札選択時に敵の様子が一文のメッセージで表示されるので、それをヒントに敵が出してくる属性を予測することができます。
個人的には「帝国魔導院決闘科」よりもこの作品の方がゲームとして楽しめました。「帝国魔導院決闘科」はパズルというか詰め将棋的な要素が強すぎて好みではなかったので……。
ただ、やはりというかなんというか、キャラクタとの会話イベントはかなり多いです。というか戦っているよりも会話イベントに費やす時間の方が長い気がします。
キャラクタとの掛け合いを見るのが好きな方にはこの方が良いんでしょうけど、私個人的にはもう少しゲーム要素を増やして「ゲーム7割:会話イベント3割」くらいにして欲しかったです。(現状、ゲーム4割:会話イベント6割くらいに感じる)
さらに部隊員の成長要素とか追加してSRPGっぽくすると、より一層のめり込んで楽しめる気がしたりしなかったり。

79作品がエントリーした第六回ウディコン。結果はどうなるんでしょうね?
一応、エントリー一時停止の3作品を除いて76作品をプレイしてみましたが、そのうち18作品はちょっとゲームとして成立しているとは言いがたい内容でした。
残りの58作品のうちからチョイスしたのが前述の9作品です。多分にして個人的な好みが反映された、単なる一個人の感想ですから「納得いかねえ!」って思っても気にせずスルーしてください。あなたが楽しめたゲームが他にあるなら、それが「あなたの第六回ウディコン」です。

おすすめ作品を挙げてはみたものの、今回はどの作品が人気になるのか正直予測がつきません。
確かに平均的なレベルは上がっています。
ただ『これ!』と強烈PUSHできる作品が無いんですよね。

第二回ウディコンにおける「Gravity
第三回ウディコンの「マッドプリンセス」「魔界王伝Ⅱ
第四回ウディコンの「暗闇の迷宮」「悠遠物語
といったような「これは別格」「頭ひとつ抜け出てる」「これは間違いなく上位入賞するだろう」といった作品が見当たりません。

第四回まではそういった「おいおい、草野球の大会に甲子園優勝校がまぎれこんでるよ!」みたいな作品がありました。
暴言を承知の上で言うなら、駄作が減って全体のレベルが上がった代わりに傑作も出てこなくなった印象があります。(もちろん良作・秀作は増えていると思います)
こういう状態になってしまうと、どの作品がグランプリを取ってもなんだかんだで揉めそうな気がします。